2024 年 2024 巻 2 号 p. 208-213
本研究の目的は,通常学級における社会科の学習に着目し,書くことに困難さのある児童のタブレット端末の活用状況とその意識を明らかにすることである.公立小学校第5学年に在籍し,書くことに困難さのある5名の児童に焦点を当て,アンケート調査を実施した.その結果,対象児童全員が社会科の学習において書くことに困難さを感じており,調べたことや自分の考えをまとめる場面での困難さが顕著であった.一方で,児童は学習場面に応じてタブレット端末の様々な機能を活用しており,書くことの困難さの解消に有効に機能する可能性が示唆された.また,児童はタブレット端末を学習に不可欠なツールとして捉えており,主体的・対話的で深い学びの実現につながる可能性が示された.