日本教育工学会研究報告集
Online ISSN : 2436-3286
小学校の授業場面における他者及び他者との情報を介した関わりを伴う自己調整に関する調査
稲木 健太郎泰山 裕
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2024 年 2024 巻 4 号 p. 160-167

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抄録

本研究は,小学校の授業場面に着目し,他者及び他者との情報を介した関わりを伴う自己調整の具体を捉えることを目的とした.教師1名への半構造化インタビューの結果,調査対象者の学級では,①他者と他者の情報提示により学習の援助や方向づけを受ける姿,②学習の困難さの解消や学習しやすさに向けて他者をリソースとして状況を変化させる姿,が捉えられた.こうした姿の前提として,③自己調整を阻害しない/担保する級友との関係性や,級友が外化した学習情報をクラウド上で参照可能な授業の状況もまた重要であった.クラウド環境と1人1台端末の整備による環境の変化から,クラウド上の情報を介した参照がモデリングにつながる可能性と,他者との情報の共有や参照の経路の変化にも着目した自己調整の初期の指導や支援の具体を検討する必要性が示唆された.

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© 2024 日本教育工学会
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