日本食品工学会誌
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UF膜モジュールを用いたイシクラゲ由来フィコビリタンパク質の濃縮の予測
日種 隆敬出村 幹英森貞 真太郎大渡 啓介川喜田 英孝
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論文ID: 22618

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抄録

フィコビリタンパク質(PB)はシアノバクテリアが生成するタンパク質であり,発がん性などの効果から医薬品としての機能が研究されている.本研究では,イシクラゲ(Nostoc commune)由来のPBを分離・回収するために,分画分子量の異なる限外濾過膜モジュール(150kDa,30kDa and 10kDa)を用いた.0.07MPaで10kDaの分子量分画のUF膜モジュールに,N. communeから得られたPB含有溶液を通液したところ,30分で10倍の濃縮率となった.スケールアップ時のUF膜モジュールによるPBの濃縮を予測するために,UF膜モジュールの孔表面で形成されるケーク層におけるタンパク質の透過に関する常微分方程式を立式して実験値にフィッティングし,パラメータを得た.そして,パラメータを用いて常微分方程式を計算したところ,150kDaの分画分子量のUF膜モジュールの場合,100LのPB含有溶液を10倍濃縮するために,15時間必要であることが明らかになった.計算の結果,30kDaの分画分子量のUF膜モジュールの場合が,最も高いPBの生産性を示すことが明らかになった.

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