日本食品工学会誌
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混合培養による抗菌活性: Bacillus subtilisが及ぼすRhizopus pekaによる抗菌活性の影響
福田 翼堤 一代森田 洋
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2008 年 9 巻 2 号 p. 99-107

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抄録
Rhizopus属菌は, テンペなどの発酵食品に利用されている.これらの発酵食品には抗菌性物質が含まれていることが知られている.しかし, 伝統的手法で製造されたテンペには, Rhizopus属菌以外の微生物が混在しており, Bacillus属菌の存在が多く確認されている.本研究では, Bacillus属菌がRhizopus属菌の抗菌性物質生産に与える影響を調査した.これまでの研究により, R. peka P8は純粋培養条件下において抗菌性物質を生産することが確認された.このR. pekaによる抗菌性物質生産は, Bacillus subtilis IFO3335との混合培養によって促進された.この混合培養条件下において, B.subtilisの添加時間および初発添加濃度条件はR. pekaの抗菌性物質生産性に影響を与えた.最適な添加時間条件は, R. pekaの培養と同時にB. subtilisを接種した時であった.また, 最適な初発添加濃度条件はR. pekaの胞子懸濁液濃度とB. subtilisの細胞懸濁濃度が同等である場合であった.R. pekaの培養液とB. subtilisの培養液および細胞抽出液を混合した場合, 抗菌活性は増大した.同様にR. pekaの細胞抽出液を混合した場合, 抗菌活性は増大した.混合する溶液の一方に加熱処理 (121℃・20分) を行い混合した結果, 抗菌活性が確認されなかった.これらにより, 抗菌活性の増大は酵素反応に起因する可能性が示唆された.
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