日本食品微生物学会雑誌
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生鮮魚介類の大腸菌群検査におけるCompact Dry ECの有用性の検討
細川 修平小高 秀正
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2010 年 27 巻 2 号 p. 80-85

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抄録

生鮮魚介類の細菌学的な検査を現場で実行するために有用な検査方法を提供する目的で,コンパクトドライEC (CD-EC)を使って大腸菌群数の検査を実施したところ,以下の成績が得られた.
1. 生鮮魚介類88例について米国FDA-BAM法である混釈平板培養法とMPN5本法を対照にしてCD-ECで大腸菌群数を検査したところ,相関係数はそれぞれ0.96および0.85であった.
2. CD-ECの赤色集落(推定大腸菌群)142株を同定した結果,Citrobacter属8株,Enterobacter属42株,Hafnia属5株,Klebsiella属5株,Serratia属42株,その他の腸内細菌15株,腸内細菌以外の菌26株であった.
3. 大腸菌は米国FDA-BAM法でシジミとアサリの5例で認めた.
4. CD-ECで青いコロニー(推定大腸菌)を認めた検体はシジミとアサリの5例に加えて,ブラックタイガー,メヒカリ,アジであったが,分離した菌株はEscherichia vulnerisで偽陽性であった.

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© 2010 日本食品微生物学会
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