日本食品微生物学会雑誌
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原著
果物・野菜における食中毒菌多重検出キット“[TA10]Pathogenic Bacterial Multiplex PCR Detection System”の評価と前培養条件の検討
川崎 晋鄒 碧珍難波 豊彦有馬 和英木内 勲上﨑(堀越) 菜穂子川本 伸一
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2011 年 28 巻 4 号 p. 219-225

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抄録

食中毒菌多重検出システム “[TA10] Pathogenic Bacterial Multiplex PCR Detection System” を用いて,果物・野菜からの検出法について評価した.16種類の果物・野菜を上記キットに供したところ,いずれも35±1℃, 22時間培養後の前培養液1 ml からMultiplex PCR法で検出可能であった.しかしながら,pHの低い試料では増菌時での増殖への影響が示唆されたため,増菌培地間の比較と試料液の中和操作を行った場合での培養改善効果について検討した.その結果,試料液の事前の中和操作よりもむしろ夾雑微生物の増殖により引き起こされる培地pH低下の緩和が重要である可能性を示唆した.前培養培地のpH緩衝能は,上記の遺伝子検査法や培養法での検出において検討すべき重要な因子となりうる.

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© 2011 日本食品微生物学会
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