2016 年 33 巻 2 号 p. 61-68
2008年4月~2013年1月の間に大阪市内の食品製造施設および食品から分離されたグラム陰性桿菌114株についてカルバペネム耐性を調べた.その結果,114株のうち1株(Pseudomonas fluorescens)のみがメロペネム耐性を示したが,そのほかの113株はすべて本剤に感受性であり,カルバペネマーゼ産生菌の出現頻度は低いと考えられた.Pseudomonas fluorescensはメロペネム,セフォキシチン,セフォタキシム,セフポドキシムに耐性を示したが,カルバペネマーゼ産生菌である可能性は低いと考えられた.セフォキシチンに耐性を示した10株のうち6株はAmpC産生菌と考えられたが,いずれもプラスミドとして獲得したものでなく,染色体性に本来所有するβ-ラクタマーゼ遺伝子であると考えられた.Rahnella aquatilisの2株はいずれもCTX-M型のESBL産生菌であり,染色体上に存在する既報のRAHN-2遺伝子であると考えられた.