2016 年 33 巻 3 号 p. 150-154
2010年4月から2016年3月までに発生した生鮮魚介類の生食に関連した有症苦情事例のうち,44事例の喫食残品65検体を収集した.これらの事例の症状は下痢,嘔吐,腹痛などで重症例はなかった.また,多くの事例では初発の潜伏時間が6時間以内と短く,K. septempunctataによる食中毒症状と類似していた.喫食残品中の粘液胞子虫の検出を行ったところ44事例中,粘液胞子虫のDNA が検出されたのは31事例(70%)で,そのうち,顕微鏡検査で胞子を確認できたのは23事例(52%)だった.検出された粘液胞子虫のうち,U. seriolaeが最も多く,カンパチ,ヒラマサ合わせて20検体中,15検体(75%)から分離され,カンパチの生食に伴う事例とU. seriolaeの間に関連性が示唆された.