日本食品微生物学会雑誌
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事例
うなぎ料理が原因となったSalmonella Saintpaulによる大規模食中毒事例
舘野 晋治浅野 由紀子福田 正幸木村 琴葉余吾 希望北川 之大菊池 理沙仙波 敬子木村 千鶴子阿部 祐樹青野 学四宮 博人内田 和彦武方 誠二烏谷 竜哉冨田 直明
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2019 年 36 巻 3 号 p. 132-137

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抄録

2018年7月25日,産直市の鮮魚コーナーA店で調理されたうなぎ料理を原因とする大規模食中毒が発生した.調査の結果,384名の喫食者のうち,299名が下痢,腹痛,発熱等を示し,患者便,従事者便およびうなぎ料理残品等複数の検体からS. Saintpaulが検出されたことから,本件は,7月20日から22日にA店で調理・販売されたうなぎ料理がサルモネラに汚染されたことによる食中毒事件であると断定し,営業禁止処分を行った.検証試験の結果,白焼ではサルモネラは顕著に増加し,蒲焼では減少しないこと,たれでは増殖しないものの死滅にはある程度の時間を要することが明らかとなった.A店の調理従事者はうなぎに係るサルモネラ等の細菌学的リスクの認識が乏しく,生うなぎの取扱いなど,食品のずさんな衛生管理が本件発生の主な要因であると考えられた.

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© 2019 日本食品微生物学会
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