抄録
非加熱水産食品であるスモークサーモンと味付けイクラに接種したL. monocytogenes ATCC 49594の挙動と発酵乳酸ナトリウム (NaL) による抑制効果について検討を行った.
スモークサーモンにおけるL. monocytogenesの推移について検討したところ, 当初103CFU/g接種した菌数が25℃では2日目に105CFU/gに, 10℃では10日目に106CFU/gに, 5℃では21日目に105CFU/gに増加した.味付けイクラにおいては, 当初103CFU/g接種した菌数が, 25℃ では1日目に107CFU/gに, 10℃では6日目に107CFU/gに, 5℃ では8日目に107CFU/gに増加した.スモークサーモンと味付けイクラにおけるL. monocytogenesの増殖は, 25℃ より10℃, 10℃より5℃の低温に保存するほど抑制された.
一方, NaLを3%添加したスモークサーモンでは保存温度に関係なくL. monocytogenesの増殖は抑制された.NaLを3%添加した味付けイクラでは25℃ 保存を除き, 10℃および5℃ の保存温度ではいずれもL. monocytogenesの増殖は抑制された.
以上の結果, スモークサーモンと味付けイクラにおける3%NaLの添加は, 5℃ と10℃でのL.monocytogenesの発育を抑制する有効な効果を認めた