2017 年 81 巻 1 号 p. 36-42
2014年7月から2015年6月の1年間に宮城県沿岸域で漁獲された288個体のヤリイカについて,平衡石を用いた日齢解析を行い,孵化時期の推定及び成長様式を明らかにした.
日齢と外套長の関係について,ロジスティックの成長式が適合し,雄及び雌の成長式は,それぞれM.L.=312(/1+e4.87–0.0294t),M.L.=225/ (1+e4.68–0.0317t)で示された.雌雄の成長差について,F検定を行った結果,有意な差が検出され(F=44.2, p<0.01),雄のほうが雌より成長が良いことが確認された.日齢解析から推定されたヤリイカの孵化時期は2月から9月であり,その主な時期は4月から6月であることが明らかとなった.