水産海洋研究
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原著
三河湾のアサリRuditapes philippinarumの成育と全窒素・全リン濃度の経年変化との関連
蒲原 聡 芝 修一鶴島 大樹鈴木 輝明
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2021 年 85 巻 2 号 p. 69-78

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抄録

伊勢・三河湾の愛知県アサリ漁獲量は,2017年には2013年の1/10に急減した.推定原因の一つに栄養塩の低下に伴う植物プランクトンの減少がある.そこで,アサリの成育とクロロフィルa及び全窒素・全リンの経年変化との関連を調べた.クロロフィルa及び水温の実測値から,成長モデルにより軟体部及び生殖腺の重量変化を計算した.2007–2017年度は,生存に最低限必要な軟体部重量を下回り,1998–2006年度より生殖腺重量が低下した.年間では6~11月のクロロフィルaの影響が大きいと推定された.TN, TPのうち,クロロフィルaと高寄与率があるのはTPであった.1998–2006年度の6–11月の平均濃度はTP: 56.5 μg・l−1と,水産用水基準でアサリの適正生息値とされる水産3種(50 μg・l−1<TP≦90 μg・l−1)に相当するが,2007–2017年度はTP:45.2 μg・l−1と水産2種(30 μg・l−1<TP≦50 μg・l−1)に相当に減少した.アサリ資源の維持には,6–11月のTPを水産3種に確保する必要があると考えられた.

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© 2021 一般社団法人 水産海洋学会
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