水産海洋研究
Online ISSN : 2435-2888
Print ISSN : 0916-1562
原著
沖縄島沿岸域におけるメアジSelar crumenophthalmusの生活史特性
上原 匡人 辻 拓夢太田 格海老沢 明彦立原 一憲
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2021 年 85 巻 3 号 p. 153-163

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抄録

メアジSelar crumenophthalmusは,沖縄県の重要な漁業資源であるが,その生活史特性に関する知見は極めて乏しい.そこで,沖縄島沿岸域で漁獲された418個体を用いて,本種の年齢,成長,成熟体長,産卵期および食性を明らかにした.本種の耳石不透明帯は,5–10月に年1回形成され,満年齢を示した.標本中,観察された最高齢は,雌6.7歳,雄6.1歳で,雌雄の成長に差は認められなかった.本種の小型個体[8–9 cm fork length (FL)]は,7月に出現し始め,経月的に成長した後,孵化後1年で19–24 cm FLに達した.本種は,この頃に魚食性を強め,雌の約8割が成熟した.産卵期は,7–9月を盛期とする4–10月であり,平均孕卵数が10.9万粒と推定された.沖縄島沿岸域では,本種は主に定置網で漁獲され,8–12月にかけて小型群が水揚げ個体のおおむね30%以上を占めた.成長乱獲が懸念される本種個体群を持続的に利用するため,未成魚の保護が不可欠である.

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© 2021 一般社団法人 水産海洋学会
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