魚病研究
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コイ補体第4成分の精製とその特性
中尾 実樹矢野 友紀松山 博子
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1988 年 23 巻 4 号 p. 243-250

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抄録

 コイ血清から補体第4成分(C4)を部分精製した。C4の検出には, 感作ヒツジ赤血球とアンモニア不活化コイ血清を用いた。コイC4は25%の収率で約1,000倍精製され, その最終標品は, C1, C2およびC3をほとんど含まなかった。その標品を使って特性を調べたところ, コイC4は分子量17万のβ-グロブリンで, ザイモサン, カラゲナンおよび加熱(58℃, 60分)処理に対して安定であったが, アンモニア, ヒドラジンに対しては感受性を示した。これらの特性は哺乳類のC4と酷似している。しかし, コイC4はモルモットのC1, C2とはまったく適合性を示さなかった。

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© 日本魚病学会
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