粘液胞子虫Hoferellus carassiiによるキンギョ腎腫大症に対するフマギリンとトルトラズリルの化学療法

抄録

　腎腫大症起因種, H.carassiiに感染したキンギョにフマギリンとトルトラズリルを経口投与し, 発症状況および寄生体の変化を光顕, 電顕により調べた。10月の未発症魚（0才魚）に対してはフマギリン投与区に顕著な発症抑制効果がみられ, さらに11月, １月の発症魚においても寄生体が障害を受け, 変性, 崩壊し, 寄生を受けていた宿主上皮細胞はもろくも脱落する像が観察されたが, トルトラズリルは全く効果がみられなかった。以上の結果から, 有効な化学療法を提案した。