魚病研究
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ニシキゴイの出血性テロハネルス症
横山 博Yasoja S. Liyanage須貝 憲明若林 久嗣
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1998 年 33 巻 2 号 p. 85-89

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抄録

 ニシキゴイ養殖場において, 6~7月に2, 3才親魚が体表全体, 特に頭部から腹部が著しく発赤または出血斑を呈して死亡する事例があった。 体表粘液および魚体内の様々な結合組織に Thelohanellus 属粘液胞子虫が確認され T.hovorkai に同定された。 皮膚患部の病理組織により, プラスモジアからの胞子散乱に伴う出血, 水腫, 表膚上皮の剥離および広範囲にわたる細胞浸潤が観察された。 養魚池から採集されたエラミミズから, 6月には81%の寄生率で T.hovorkai 放線胞子が検出された。 本疾病名を「コイの出血性テロハネルス症」と提案する。

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© 日本魚病学会
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