抄録
西日本の内湾のアサリに未同定の寄生体が見られた。鰓および外套膜を RFTM 培地で培養すると, Perkinsus 属特有の prezoosporangium が得られた。これを海水に移したところ zoospore が形成された。消化盲嚢, 鰓, 外套膜および足にみられた栄養体は複数の細胞が集魂を形成するタイプと単独で存在するタイプがあった。Perkinsus marinus に対する抗血清を用いた免疫組織化学観察ではいずれのタイプの栄養体とも反応した。以上よりこれらは Perkinsus 属に属することが明らかになったが, 既報種のいずれとも異なっていた。