魚病研究
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変形アユの骨格系異常に関する研究
駒田 格知
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1974 年 8 巻 2 号 p. 127-135

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抄録

 天然および養殖の変形アユについて,その外部形態およびSOFTEX撮影による骨組の調査を行なった。 1. 変形アユは,その外部形態から,頭部から吻部にかけて絶壁状カーブを画く,下顎骨ゆがみ,鰓蓋彎曲,背鰭欠損,腹鰭欠損,尾柄部上下・左右曲がり,脊椎骨彎曲,脊椎骨短縮の8つの特徴が認められた。 2. 体長/頭長,体長/吻端~斑紋の距離の各相対比は短縮変形において他より小さく,頭長/眼径の値は,上・下顎骨ゆがみおよび骨曲がり変形アユで他より小さいが,頭長/頭高は正常アユが他より大きく,頭高/頭幅は逆であった。 3. 変形アユにおいて,上顎骨・歯骨・鰓蓋・腹鰭で同一個体で,同時的に異常が起こる場合が多い。 4. 背鰭および腹鰭欠損の場合,同時に神経間棘および腰帯も欠如している。 5. 脊椎骨数は,上顎骨ゆがみ,歯骨変形および腹鰭欠損アユにおいて,他よりも2~3本少くなっている,さらに短縮変形アユでは,正常な場合のそれとの差はないが,尾椎における椎骨の長さが著るしく短縮している。 6. 背鰭・腹鰭および鰓蓋の欠損変形は,養殖アユにのみ見られ,口器近辺骨格および脊椎骨異常は,天然・養殖アユともに認められた。

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© 日本魚病学会
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