抄録
収量計測コンバインを用いて水稲栽培試験における収量評価を行なう方法を提示し,事例として約0.5haの同一水田内に設定した疎植区(株間30cm)と対照区(株間23cm)との収量比較を行なった.コンバインで計測したデータは母集団を表しているとみなして収量比較の方法を検討した.
1) 供試水田では,母集団の大きさと正規性を担保する観点から,収量比較のための小区画の寸法は5m×6mないしは10m×3mが適切と判断された.
2)供試水田の低地部ほど収量が高い傾向が認められたので,高低差と収量の回帰を行なって高低差の影響を除去して比較するか,高低差の範囲を限定した母集団を用いる等の工夫が必要であった.供試水田で高低差の範囲を限定する場合は,上記1)と同様の理由により,±15mmが適当と判断された.
3)上記1)および2)の条件下で母集団を作製して収量の比較を行なうと,疎植区と対照区との収量差は有意ではなかったと結論づけられた.