農作業研究
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研究論文
北陸地域における秋播きカバークロップのバイオマス生産と雑草抑制(英文)
荒木 肇, 波田野 義文, 堀元 栄枝, 藤井 義晴, 伊藤 道秋
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2007 年 42 巻 2 号 p. 111-121

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抄録
北陸地域においてカバークロップを導入した生産体系を確立するために,1998年と1999年の秋季にイネ科(コムギ,オオムギ,野生エンバク,ライムギ),マメ科(ヘアリーベッチ,コモンベッチ,クリムソンクローバ)およびアブラナ科(レープ)のカバークロップを播種し,翌年春季のバイオマス生産と雑草抑制およびカバークロップ残渣マルチ圃場での作物生産について調査した.
1999年の刈り倒し時の地上部バイオマス(AGB)はライムギとヘアリーベッチで大きく,それぞれ10aあたり646kgと591kgの乾物重を示し,多量の有機物が圃場に投入された.特に,ヘアリーベッチは乾物あたり4.2%の窒素を含有し,24kg/10aの有機態窒素が圃場に投入された.ヘアリーベッチは地表面を完全に被覆したが,コモンベッチの被覆は不完全であった.刈り倒し後に,ライムギの切り株から萌芽が見られた.また,コムギ,オオムギおよびクリムソンクローバ圃場では落下した子実からの発芽によりリビングマルチが形成された.これらのカバークロップのデッドマルチを形成するには早期の刈り倒しが必要であった.イネ科カバークロップのAGBは1999年と2000年で大きな差異はなかったが,2000年のヘアリーベッチのAGBは積雪期間が長かったために,1999年のそれより著しく減少した.
両年ともカバークロップ残渣マルチはマメ科よりイネ科で維持され,特にライムギと野生エンバクで残存率が高かった.カバークロップ残渣マルチ圃場での雑草の発生量と生長は,対照とした耕起圃場より少ないか同程度であった.ヘアリーベッチマルチ圃場では雑草発生量は少なかったが,発生した雑草の乾物重は耕起圃場より大きくなった.レタスの乾物重はヘアリーベッチとコモンベッチまたは野生エンバクのマルチ圃場で耕起圃場より有意に大きくなった.
以上の観察から北陸地域において秋播きマメ科カバークロップとしてはヘアリーベッチがバイオマス生産と夏作物の生長促進から有望であるが,雑草抑制効果はマルチ形成後約1.5か月間であった.積雪下で越冬しても春季の生存率を向上させる技術が必要である.イネ科ではライムギがバイオマス生産と雑草抑制の視点から有望であるが,切り株からの萌芽を抑制する技術が必要であった.
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© 2007 日本農作業学会
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