2019 年 54 巻 2 号 p. 75-83
近年,飼料用トウモロコシ栽培において,Solar Corridor Cropping System法といった群落内の空間的配置を変化させ,太陽光利用率を最大化し,作物の収量増加や子実の良質化を狙った2条植え栽培が注目されている.トウモロコシにおける2条植え栽培は,個体間の養分などの競合の減少や過密ストレスを軽減させることで,収量が高まることがある.しかし,必ずしも2条植えが1条植え以上の子実収量になるわけではないことから,子実収量を増収させる栽培技術であるかは明らかではない.そこで本研究では,関東南部において1条植えと2条植えの違いが飼料用トウモロコシの生育と収量に及ぼす影響を調査した.生育調査より,第12期以降にLAIは2ヶ年とも2条植え区が1条植え区に比べ有意に高い値を示した.R1期の地上部乾物重は両栽植様式において違いはみられなかった.収量調査では,2ヶ年を通して子実重,100粒重,子実粒数ともに栽植様式間において差はみられなかった.これらの結果より,乾物収量,収量調査ともに2条植えが1条植えに比べ劣るということはなく,むしろLAIの拡大から収量増加の可能性が見受けられた.以上のことから,2条植えの効果については,今後さらに調査が必要であると考えられる.