2019 年 54 巻 2 号 p. 85-92
小規模経営が多い沖縄本島南部地域で収穫機械化を進めるには,現在使われているサトウキビ収穫機より小型かつ高性能な収穫機が必要と考えられる.本研究では,沖縄県で稼働している最も小型の36 kW収穫機にGPSロガーと車載カメラを取り付け,収穫機の作業実態を調査した.試験機にGPSロガーを取り付け,1秒ごとの収穫機の軌跡を記録し,GISを用いて解析を行った.その結果, 2017/2018年期では圃場作業量は0.013(ha/h),有効作業量は0.030(ha/h)であり,有効作業効率は0.45であった.現在普及している小型収穫機(73.5 kW)と比較すると,圃場作業量および有効作業量は約3割の値を示した.車載カメラの映像から,サトウキビの倒伏により,茎の切断が困難で,サトウキビを収穫機内に取り込めず,刈り取り作業が停止し,作業能率が低下していることが確認できた.また,有効作業効率を土地改良区とその他の圃場で比較を行った.土地改良区内の圃場における有効作業効率は0.42,改良区外の圃場の有効作業効率は0.28であり土地改良区の方が大きい値を示した.本試験で用いた小型収穫機は性能面で普及小型機に劣るため,本島南部の状況を考えた場合,作業最適化の方法を検討しながら導入を進める必要がある.