2024 年 59 巻 3 号 p. 127-135
土壌の窒素無機化特性値(以下「無機化特性値」)を入力変数とした水稲の収量予測モデルについて,無機化特定値を固定した場合の予測精度の検証試験を行った.本研究は中粒質普通灰色低地土の稲わら・速効性肥料連用圃場において,2016年に測定した無機化特性値を用いて2017~2020年のコシヒカリの収量予測の経年的検証を行った.基肥4水準,追肥4水準の施用試験の実収量と予測収量を比較した.その結果,移植後60日目の生育量から算出した収量の予測誤差はRMSEが平均53 kg 10a–1,MAPEは9.1%であった.このことから,無機化特性値を用いた収量予測は5年後でも精度に大きな差はなく,同一圃場における施肥計画を立てる際は毎年の測定が不要となり,農家の作業負担を軽減できる可能性が示された.