老年歯科医学
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原著
病棟看護師の口腔ケアに対する認識
―病棟の特性および臨床経験年数別の比較―
横塚 あゆ子隅田 好美日山 邦枝福島 正義
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2012 年 27 巻 2 号 p. 87-96

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抄録

要介護高齢者の誤嚥性肺炎の予防として口腔ケアが有効であることが明らかにされて以来,病院の看護業務においても口腔ケアの重要性が認識されるようになった。病棟看護師による日常的口腔ケアと,歯科専門職による専門的口腔ケアの両者の効果的な実施方法を検討するための基礎資料を収集することを目的とし,病棟看護師にアンケート調査を行った。新潟県内の歯科口腔外科を有する 4 カ所の医療機関に勤務する病棟看護師 644 名を対象に,入院患者の口腔ケアに対する意識,関心,実施状況および実施にあたっての問題点を調査し,所属病棟別および臨床経験年数別による分析を行った。その結果,ほとんどの看護師が口腔ケアの重要性を認識していた。しかし,口腔ケアの現状は不十分で,今以上に口腔ケアを行う必要があると考えていた。急性期病棟では口腔ケアの実施回数と理想回数が一致していたが,慢性期病棟では一致していなかった。病棟での口腔ケア用具としてスポンジブラシはかなり普及していたが,歯間清掃用具はほとんど使用されていなかった。また,臨床経験年数の長い看護師ほど口腔ケアの重要性を認識しており,臨床経験年数によって口腔ケアを学習した機会に違いがみられた。口腔ケアについて学習したい内容は「口腔内の状態が悪い患者の口腔ケア」「全身状態が悪い患者の口腔ケア」で,学校教育や生涯研修だけでは習得が難しい口腔ケアの知識や技術があげられていた。これらの結果から,病棟看護師と歯科専門職が互いの専門性を生かした連携方法を検討することが今後の課題であると考えられた。

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© 2012 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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