抄録
本研究は,地域の虚弱高齢者に対する,口腔機能向上プログラムの参加の有無に影響している要因を明らかにすることを目的とした。2008 年 4 月〜9 月に,東京都・神奈川県・新潟県・愛知県・長崎県の計1都4県の12カ所の地域包括支援センターにて,歯科衛生士を派遣する介護予防プログラムを実施した。その参加者に対してインタビュー調査を実施し,調査に参加した 312 名から回答を得た。目的変数を口腔機能向上プログラム参加の有無,説明変数を身体的および介入要因の全変数として行った多変量ロジスティック回帰分析の結果より,口腔機能チェックシートを使用することにより,使用しない場合に比べてプログラム参加のオッズ比が 5.22(95%信頼区間:1.25〜21.75),二次予防事業対象者に比べて要支援者のプログラム参加のオッズ比が3.03(95%信頼区間:1.02〜8.97)であった。参加を拒否した対象者の参加拒否の理由として多かったのは,「意義や意味が分からない」86.4%,「本人・家族が必要性を感じていない」66.0%であった。本研究より,口腔機能向上プログラムの参加率の向上のために,口腔機能チェックシートの使用が有効である可能性が示唆された。