老年歯科医学
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原著
男女別にみた高齢者の機能障害発生および死亡に対する口腔健康指標の影響―島根県後期高齢者歯科口腔健康診査受診者による解析―
富永 一道齋藤 寿章安部 孝文清水 潤前田 憲邦松浦 良二井上 幸夫安藤 雄一松田 悠平管野 貴浩矢野 彰三磯村 実
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2025 年 40 巻 1 号 p. 40-53

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抄録

 我々の先行研究では,島根県後期高齢者歯科口腔健康診査と医療・介護保険情報の後方視的データセットを完成させ,生存分析と集団寄与危険割合(以下PAF)を用いて,機能障害または死亡と口腔健康指標の関係を明らかにした。本研究では口腔健康指標や平均寿命,調理などの生活背景には男女差が存在することからアウトカムに対する性差を調べることを目的とした。分析対象者は,機能障害データ(男性9,175名,女性12,706名),死亡データ(男性9,722名,女性13,025名)であった。男女別に13の口腔健康指標を説明変数とし,年齢,BMI(Body Mass Index)と既往歴を用いて作成した傾向スコアを交絡調整に用いた生存分析を行った。その後,PAFを計算してアウトカムに対する説明変数の影響力を男女で比較した。

 機能障害に対して男女別にPAFの上位3を示すと,男性が①客観的咀嚼能力第1四分位(最小)23.13%,②現在歯数20〜27本13.88%,③歯周組織の状態中等度13.22%,女性が①客観的咀嚼能力第1四分位21.50%,②同第2四分位8.28%,③現在歯数10〜19本7.20%であった。

 同様に死亡については,男性が①客観的咀嚼能力第1四分位17.68%,②現在歯数10〜19本11.66%,③同1〜9本9.43%,女性が①客観的咀嚼能力第1四分位14.83%,②口腔衛生状態不良5.84%,③客観的咀嚼能力第2四分位5.46%であった。男女ともに客観的咀嚼能力が最も強く影響していたが,それ以外の口腔健康指標の影響は男性のほうが強く受ける傾向にあった。

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