抄録
有料老人ホーム入居者74名 (平均年齢74.9±5.2歳) を対象に, 咀嚼能力をアイヒナー・インデックス (以下EIと略す) を用いて評価するとともに, EIと身体活動性, 血液生化学値および健康度の自己評価との関連性について検討した。その結果, 咬合支持域の少ない群ほど平衡機能は低下し, 握力は減少する傾向がみられた。また無歯顎群は有歯顎群に比べ, 生命予後に関与する血清アルブミン値がやや低く, 循環器疾患の関連因子である血清総コレステロール値が正常より高い値を示した。健康度の自己評価も咬合支持域の減少に伴い低下する傾向がみられた。