老年歯科医学
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11 巻, 3 号
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  • 岩久 正明
    1997 年11 巻3 号 p. 167
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 寺岡 加代, 柴田 博, 渡辺 修一郎, 熊谷 修
    1997 年11 巻3 号 p. 169-173
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    有料老人ホーム入居者74名 (平均年齢74.9±5.2歳) を対象に, 咀嚼能力をアイヒナー・インデックス (以下EIと略す) を用いて評価するとともに, EIと身体活動性, 血液生化学値および健康度の自己評価との関連性について検討した。その結果, 咬合支持域の少ない群ほど平衡機能は低下し, 握力は減少する傾向がみられた。また無歯顎群は有歯顎群に比べ, 生命予後に関与する血清アルブミン値がやや低く, 循環器疾患の関連因子である血清総コレステロール値が正常より高い値を示した。健康度の自己評価も咬合支持域の減少に伴い低下する傾向がみられた。
  • 広島県呉市在住高齢者に対するアンケート調査より
    吉田 光由, 中本 哲自, 佐藤 裕二, 赤川 安正
    1997 年11 巻3 号 p. 174-180
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢化社会を迎えるなか, 歯の保存や補綴が高齢者のQOL向上に果たす役割を明確にしておくことが重要となってきた。今回, 広島県呉市に在住する65歳以上の高齢者3, 880名を対象に, 生活状況および口腔内状態に関するアンケート調査を行い, 歯の欠損が生活にどのような影響を及ぼすかを検討した。有効回答は, 男性1, 502名 (平均年齢73歳), 女性2, 288名 (平均年齢75歳) の計3, 790名であった。残存歯数は, 20歯以上残存している者が885名, 10~19歯 (10歯以上) が919名, 1~9歯 (5歯程度) が842名, 無歯顎者は1, 144名であった。義歯装着率は, 10歯以上で79%, 5歯程度で86%, 無歯顎者では96%であった。
    QOLを評価するための指標として用いた生活の満足感は, 残存歯数が少ない者で不満と回答する者が有意に多かった。生活の満足感に有意な影響を及ぼす項目は, 食生活, 生きがい, 経済的不安, 気分, 人間関係, 社会の一員の6項目であった。これらの項目が生活の満足感に及ぼす影響の大きさは, 20歯以上の者では第3位であった食生活が, 20歯未満の者では第1位であった。一方, 義歯装着者と未装着者との間には, 生活の満足感に有意差はなかったが, 生活の満足感に影響を及ぼす項目では, 義歯装着者で最も強い相関を示した食生活が, 未装着者では有意ではなかった。本研究の結果, 残存歯数により生活の満足感が変化することが示唆された。
  • 山内 六男, 小川 雅之, 福田 倫明, 棚橋 正志, 金 昇孝
    1997 年11 巻3 号 p. 181-185
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 介護を要する高齢総義歯装着者の咀嚼機能について自立して生活している高齢総義歯装着者との比較調査を行った。
    調査対象は滋賀県にある特別養護老人ホーム入居者および併設の病院に入院あるいは通院し, 少なくとも上下顎いずれかに総義歯を装着している者である。これらの義歯は適合性や咬合に明らかな異常は認あられなかった。この内, ADLで部分介助の項目があるものの義歯の清掃は自分で行っている者29名を調査群 (男性5名, 女性24名, 平均年齢80.6歳), 自立生活可能な者25名を対照群 (男性1名, 女性, 24名, 平均年齢78.2歳) とした。これら対象者に内田ら (1992) の食品摂取状況調査表に記入を行わせ, 摂取可能率を求めた。また, デンタルプレスケール30H (フジフィルム社) を用いて咬合面積および咬合力を求めた。
    咬合面積は調査群で17.9±11.3mm2 (平均±標準偏差), 対照群で19.0±11.2mm2であった。咬合力は調査群で104.8±65.9N, 対照群で104.0±55.2Nであった。摂取可能率は調査群で61.9±17.5%, 対照群で61.3±13.8%であった。これらの測定値は両群間で有意な差は認められなかった。また, 両群の摂取可能率と咬合面積および咬合力との相関について検討したところ, 有意な相関は認められなかった。
    以上の結果から, 要介護高齢総義歯装着者であっても, 自立して生活している高齢総義歯装着者の咀嚼機能と差がないことが示唆された。
  • 竹腰 恵治, 小谷 順一郎, 上田 裕, 松川 房充, 伊崎 克弥, 権田 悦通
    1997 年11 巻3 号 p. 186-191
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    重度痴呆性老人における食事形態と口腔内状態との関連性について検討した。対象は, 特別養護老人ホームに入所の痴呆性老人81名 (平均80.6歳) で, 疾患の内訳は, アルツハイマー病が最も多かった。調査方法は, 対象者を食事形態によって, 普通食摂取者 (普通食群) と刻み食摂取者 (刻み食群) に大別し, これと日常生活動作 (Activities ofDaily Living: ADL), 改訂長谷川式簡易知能評価スケール (Revised Hasegawa'sDementia Scale: HDS-R), 義歯の有無, 残存歯, 機能歯, 天然歯などとの関係について検討した。ADLは, 「食事」「入浴」「着脱衣」「排泄」「洗面」の5項目について調査し, その各々について, 自立を3点, 一部介助を2点, 全介助を1点としてADLスコァーを算出した。その結果,
    1.普通食群は刻み食群よりもADLスコアーが高かった。
    2.普通食群は刻み食群よりも義歯の装着率が高かった。
    3.普通食群は刻み食群よりも機能歯数が多かった。
    4.普通食群, 刻み食群それぞれの機能歯数のパーセンタイルを求めたところ, 機能歯数が8歯のところで逆転した。すなわち, 8歯以上の機能歯をもつ者は普通食をとる可能性が高く, 7歯以下になると刻み食をとる可能性が高かった。
    5.普通食群と刻み食群の間に痴呆の程度に有意な差は認められなかった。
    以上の結果から, 痴呆性老人が普通食を摂り続けるためには, ADLの低下を抑えること, および機能歯を多くすることが必要であると考えられた。
  • 山田 素子, 正木 日立, 岩崎 雅充, 佐藤 雅志, 中林 哲夫, 田中 邦明, 永島 淳一, 菱田 豊彦
    1997 年11 巻3 号 p. 192-197
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    重度の痴呆を有する患者は疾病に対する理解力に乏しく, 治療時に協力を得ることは困難である。この様な症例に対してどの様に対処すべきか苦慮することがある。今回われわれは, 重度の痴呆を有する口腔癌症例を経験したので, その概要を報告する。
    患者は73歳の男性。左側下顎小臼歯部における歯肉癌 (扁平上皮癌) で, T2N0M0であった。正常圧水頭症, 前頭葉型痴呆症等の合併症があり, 著しい人格の形骸化が認められた。診察には拒否的で暴力行為が見られたため, 精神科医の管理のもと, flunitrazepamによる鎮静下に, 検査, 放射線治療等を行った。リニアックで54Gy照射し, 腫瘍はほぼ消失した。その後, tegafur・urasilの投与を行っていたが, 他因死した。死因は追求出来なかった。
    患者の理解が得られず治療が困難な症例では, 家族の精神面のケアと言う観点からも, 家族と充分なコミュニケーションを図ったうえで, 治療を行う事が望ましい。本症例は, 外科療法が適応であったが, 家族とも相談のうえ, 患者のQOLを考慮して, 放射線療法を主体にした治療法を選択した。また, 本症例の意識レベルのコントロールにはflunitrazepamの点滴による鎮静法が有効であった。重度の痴呆患者の治療には様々な問題が含まれているので, 家族および各科の専門医, 各部門のケアギバーと緊密な連絡をとりながら, 多角的な視野にたって治療計画を進めていくことが重要である。
  • 菊谷 武, 山田 晴子, 菊谷 京子, 鈴木 章, 稲葉 繁
    1997 年11 巻3 号 p. 198-202
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    舌癌術後の機能障害によらて摂食機能の低下を生じた患者に対して, Palatalreshaping prosthesis (PRP) の装着を中心とした摂食・嚥下機能訓練を行ったところ嚥下機能および食形態に著しい向上が認められた1例を経験した。
    症例は73歳の一人暮しの女性で, 平成4年12月に舌悪性腫瘍のため右側舌亜切除術を受けた。平成8年2月に主治医の紹介により日本歯科大学歯学部附属病院高齢者歯科診療科に義歯作製を主訴に来院した。来院時の食事形態は自己流で作ったミキサー食であったが, 固形食を摂食したいという希望があった。
    PRPの装着とともに構音訓練, 口腔周囲筋群の運動訓練, アイスマッサージ, 栄養士による栄養指導などの摂食・嚥下機能訓練を行った。4ヵ月後, 母指大程度の固形食の摂取が可能になり, 嚥下機能の回復, 流唾の減少が認あられた。
  • 第1報特別養護老人ホームと老人保健施設との比較
    上林 豊彦, 中野 公, 桐田 忠昭, 下岡 尚史, 杉村 正仁
    1997 年11 巻3 号 p. 203-209
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    当施設は, ある程度独力で自分の身の回りの事が出来る高齢者が入所する老人保健施設 (以下老健施設と略す) と日常生活動作 (ADL; Activities of Daily Living) の低下した高齢者が入所する特別養護老人ホーム (以下特養ホームと略す) とを併設している。
    今回, 老健施設の入所者146名と特養ホームの入所者84名とを対象にアンケート調査および口腔内検診を行い, 両群を比較検討したうえ, ADLと口腔内 (義歯) 状況との関連性について検討した。調査項目は入所者の男女別年齢分布, 合併疾患, 口腔内愁訴の有無, 義歯使用状況とその満足度, 義歯汚染度と義歯清掃回数, および口腔清掃度と清掃回数について調査を行い両群を比較した。両群ともに男女別では女性の入所が多く, 年齢分布では80歳代の入所者が最も多かった。合併疾患では特養ホームは脳血管障害や循環器疾患が多く, 日常生活に何らかの制限を受ける入所者が多かったのに対し, 老健施設では前者に比べて比較的軽度のものが多かった。義歯の使用状況では両群ともに全部床義歯の割合が最も多かった。また, 義歯満足度に関しては, 上顎義歯では『満足』と答えた者は老健施設の方が有意に多かったが, 下顎義歯では特養ホームのほうが若干満足度が高い傾向にあったが有意差はなかった。また, 義歯清掃回数では老健施設の方が多い傾向にあり, 特養ホームに比べて義歯の汚染度は低かった。口腔清掃度では老健施設の方が良好であったが清掃回数では差はなかった。
    以上のことから, 要介護高齢者においてはADLのレベルが口腔内および義歯の清掃度, あるいは義歯の満足度に少なからず影響を及ぼす可能性が示唆された。
  • 第1報無歯顎患者の構成と顎堤形態
    祇園白 信仁, 森谷 良彦, 伊藤 智加, 土田 桂, 森谷 良孝, 小畑 由布子, 山口 研一, 川口 隆彦
    1997 年11 巻3 号 p. 210-220
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    総義歯は, 無歯顎者のQOL向上に重要な役割を担っている。そこで, 総義歯調製の実態を疫学的に検討し, 無歯顎患者の的確な診断と治療計画立案への一資料とすることを目的に, 日本大学歯科病院総義歯補綴科にて上下顎に総義歯を調製した患者383名を対象に調査を行い, 以下の結論を得た。
    1.無歯顎患者の平均年齢は68.3歳で, 60および70歳代が全患者群の約68%を占めた。
    2.総義歯の経験有無では, 全患者の約77%が既に上下顎に装着経験を持っており, 次いで下顎経験無し, 上下顎経験無しそして上顎経験無しの順であった。
    3.総義歯の経験年数は上顎10.6年, 下顎10.4年であった。使用年数は上顎6.8年, 下顎6.5年であったが, 4年未満で再調製を希望している患者が約1/2を占あた。
    4.全身既往歴では383名中161名が特記すべき既往歴を有しており, 消化系の疾患, 循環系の疾患, 新生物が多かった。全身現病歴では103名であり.循環系の疾患, 内分泌・栄養および代謝疾患並びに免疫障害, 神経および感覚器の疾患が多かった。
    5.顎堤形態としての上下顎顎堤吸収の進行程度は, 上顎に比較し下顎で吸収強の占める割合が多く, 総義歯経験ありで経験無しに比較して吸収強の占ある割合が多かった。
    6.総義歯経験年数と顎堤形態としての上下顎顎堤吸収の進行程度は, 上顎前歯相当部および下顎前・臼歯相当部で経験が長くなると吸収強の占める割合が多くなった。
  • デンチャーブラッシング荷重の測定
    柿本 和俊, 浅井 崇嗣, 権田 悦通, 稲田 條治, 吉田 洋, 木田 順子
    1997 年11 巻3 号 p. 221-230
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    義歯用ブラシや歯ブラシを使用する機械的清掃の効果を高めることを目的として, 義歯の清掃動作の特徴を観察した。
    被験者は総義歯を装着している高齢者10名および義歯使用未経験な高齢でない歯科スタッフ10名である。実験には義歯用ブラシ3種類, 歯ブラシ2種類を用いた。単軸ひずみゲージを頸部に貼付した各ブラシを用いて, 被験者に実験用上顎総義歯を20秒間任意に清掃させた。清掃中のひずみ波形をブラシの刷掃面に加わった荷重量に換算した波形から, ブラッシング荷重 (以下/デンチャーブラッシング荷重) および清掃動作のリズムについて検討した。また, 義歯清掃における筋力の影響について調べるために握力を計測した。
    高齢者ではブラッシング動作中にブラシに荷重を全く加えていない時間が存在したが, 歯科スタッフでは絶えず荷重を加えていた。高齢者は歯科スタッフよりもブラッシングのリズムが遅かった。デンチャーブラッシング荷重は, 高齢者は歯科スタッフよりも小さく, また, 握力と正の相関があった。デンチャーブラッシング荷重は, ブラシの種類や刷毛の形態によっても影響を受けた。刷掃面が狭いブラシのデンチャーブラッシング荷重は高齢者と歯科スタッフとでは大きな差があった。
    以上の実験成績を総合すると, 歯科スタッフがブラッシング荷重をかけやすいブラシは, 必ずしも高齢者が荷重を加えやすいとはいえない。したがって, 実際に患者にブラシを使用させて, その患者にとって使用効率の高いブラシを選択することが必要である。
  • 日常生活に根ざしたチームアプローチの必要性を感じて
    松本 美昭, 武田 英敏, 木下 貴信, 尾崎 喜久男
    1997 年11 巻3 号 p. 231-233
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年11 巻3 号 p. 234-241
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 一般講演抄録集
    1997 年11 巻3 号 p. 242-247
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年11 巻3 号 p. 248-254
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年11 巻3 号 p. 255-262
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年11 巻3 号 p. 263-270
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年11 巻3 号 p. 271-284
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年11 巻3 号 p. 285-297
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年11 巻3 号 p. 298-299
    発行日: 1997/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
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