老年歯科医学
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Penetration testによるティッシュコンディショナーのコンプライアンスの評価
洪 光村田 比呂司浜田 泰三
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2003 年 18 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
高齢社会を迎え, 総義歯患者も増加するものと考えられる。長時間の義歯装着で生じた義歯床下粘膜の病変をティッシュコンディショナーの使用により生理的状態に回復させることは効果的な治療を進める上で有効である。本材のゲル化後の柔軟性は, その治療効果を左右する。そこで本研究では, Penetration testによる, ティッシュコンディショナーのゲル化後のコンプライアンスおよびその経時的変化について比較, 検討した。本実験では8種類の市販ティッシュコンディショナー (Visco-Gel (VG), COE-Comfort (CC), Hydro-Cast (HC), Fitt (F), Soft-Liner (SL), Shofu Tissue Conditioner (STC), Bosworth Trusoft (BT) and Bosworth Softone (BS)) を用い, 練和2時間後および7日後の針入深さの測定を行った。その結果, 2時間後の針入深さはそれぞれVG (1.15±0.0 5mm), BT (1.17±0.09mm), F (1.22±0.09mm), SL (1.23±0.14mm), STC (1.69±0.16mm), BS (2.01±0.09mm), HC (3.00±0mm), CC (3.00±0mm) であり, 7日後の針入深さはそれぞれF (0.80±0.05mm), VG (0.98±0.08mm), SL (0.99±0.08mm), BT (1.05±0.03mm), STC (1.21±0.05mm), BS (1.32±0.02mm), HC (1.82±0.20mm), CC (2.83±0.09mm) であった。2時間後および7日後の針入深さでは, 材料間で有意差が認められた。さらに, 針入深さの変化率も材料によって相違が認められた。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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