抄録
本研究の目的は, 給水吸引機能付き電動ブラシシステム使用時の誤嚥の危険性の有無を明らかにすることである。本研究のために呼吸機能を模した頭部マネキンを試作した。マネキンの背板の前後傾斜角度, 頭部の左右回転角度, 給吸ブラシの給水量をそれぞれ変化させて, 気管チューブへの水の浸入量を測定した。すなわち, 歯垢染色剤による着色水を給吸ブラシの給水に用いて, マネキンに取り付けた顎模型の人工歯を3分間清掃し, 咽頭部に装着した濾紙の着色の状態を確認後, 濾紙の重量を測定して水の浸入量を算出した。
その結果, 給水量が多いほど, マネキンの姿勢が水平なほど, また頭部回転角度が小さいほどチューブ内への水の浸入が認められた。水平位での口腔清掃は, 誤嚥の危険性があることが本モデル実験で再現することができた。背板角度30度以上, 頭部回転角度45度であれば, 給水量を最大値に設定しても気管チューブ内への水の浸入が防げることが明らかとなった。