日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
腹部超音波検 (健) 診における膵臓描出率の検討
西川 孝松原 真由子村田 希世美恒矢 保雄秋山 俊夫
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2007 年 45 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

腹部超音波検 (健) 診は, 消化器がん検診の中心的役割を果たしており, 特に膵がんの早期発見に対して期待が寄せられている。今回, 我々は1575名の腹部超音波検診受診者を対象として膵の描出率について検討した。その結果, 以下のような成績を得た。1)被検者の性別による膵全域の描出率は男性7.1%に対し女性27.3%, 膵頭部は男性47.2%に対し女性75.6%, 膵体部は男性87.4%に対し女性97.1%, 膵尾部は男性8.8%に対し女性32.7%で, 女性での描出率が有意に高かった (X2検定:P<0.05) 。2)被検者の年齢別による膵全域の描出率は40歳未満24.0%, 40~49歳14.5%, 50~59歳10.6%, 60歳以上3.4%と加齢に伴い描出率の低下傾向を認めた。3)肥満度における描出率は痩せ型45.1%, 標準型15.3%, 肥満型2.3%と体型に伴う描出率に有意な差を認めた (X2検定:P<0.05) 。4)検者の経験年数による膵の描出率は膵頭部において経験年数1年52.3%, 経験年数4年28.6%, 経験年数7年77.8%であり, 膵体部では経験1年85.3%, 経験4年88.9%, 経験7年98.0%, 膵尾部では経験1年11.1%, 経験4年8.3%, 経験7年28.3%と検者の経験による有意差を認めた (X2検定:P<0.05) 。
これらの成績から腹部超音波検診における膵の描出率は, 被検者の性別, 年齢, 肥満度, 及び検者の経験年数によって相違があるものと思われた。

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© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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