日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
原著
集検発見胃癌から見た胃癌スクリーニング法としての尿中Helicobacter pylori抗体検査とペプシノゲン法併用の問題点
加藤 勝章猪股 芳文相田 重光島田 剛延大原 秀一下瀬川 徹渋谷 大助
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 45 巻 2 号 p. 183-193

詳細
抄録
【目的】住民検診発見胃癌の解析から胃癌スクリーニングにおけるHp感染検査とPG法併用の問題点を検討した。【方法】集検発見胃癌のうち尿中Hp抗体検査 (イムノクロマト法) とPG法 (ラテックス凝集法) を同時に施行し得た295例 (平均65.2歳) を対象とした。
【成績】対象のPG陽性率70.5%, 尿中Hp抗体陽性率79.0%, 両者併用の陽性率93.2%であった。Hp+/PG-群は他の群に比べて若年層で未分化型・進行癌が多く, 萎縮が進んだHp+/PG+やHp-/PG+群は高齢で高分化型・早期癌が多かった。両検査とも陰性となるHp-/PG-群が6.8%みられた。これらは, 高齢であるが胃粘膜炎症や萎縮の程度が軽微であった。【結論】Hp感染検査とPG法の併用は胃癌拾い上げ効果を向上させるが, 高齢者では尿中Hp抗体偽陰性となる場合もあり高感度のHp検査法の導入やPG判定の工夫が必要である。
著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top