日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
新・胃X線撮影法 (従来法変法) の評価
植山 敏彦前川 隆一郎武富 弘行林田 泰治近藤 信夫山近 仁
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2007 年 45 巻 2 号 p. 194-203

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抄録

従来法変法 (以下, 新撮影法) の有用性を明らかにする目的にて, 新撮影法移行後2年間の検診成績を移行前2年間の検診成績と比較検討した。新撮影法の総受診者数は25,796人で, 要精検率10.1%, 癌発見率0.116%, 陽性反応的中度1.14%であった。一方, 従来法の総受診者数は26,488人で, 要精検率9.5%, 癌発見率0.094%, 陽性反応的中度0.98%であった。早期癌率では新撮影法 (65%) が従来法 (61%) よりも高かった。有所見度と良悪性度に関する確実度の判定では, 確実所見にてチェックされた割合が新撮影法で増加していた。新撮影法では噴門部と前庭部のチェック率が高く, 発見癌の割合も前庭部と噴門部で増加していた。前壁のチェック率および前壁と後壁の発見癌の割合も新撮影法で増加していた。以上より, 新撮影法は二重造影主体の撮像法ゆえの効果を示し, 検診精度の向上に有用であると考えられた。

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© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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