2007 年 45 巻 3 号 p. 341-345
大腸癌の発症に関して食習慣や生活習慣が関与していると考えられているが, その機序については不明な点も多い。そこで大腸癌の前段階である腺腫について食生活と生活習慣の面から検討した。日本大学総合健診センターを受診し, 便潜血反応陽性のため大腸内視鏡検査を施行した450名で有ポリープ群と無ポリープ群に分類し, 血清脂質, HbA1c, IRIを測定した。大腸腺腫は大きさにより3群に分類した。また生活習慣として飲酒, 喫煙, 運動, ストレスにつき検討した。血清コレステロール, IRIは腺腫の大きさに相関し高値を示し, 非ストレス群に比しストレス群では有意に腺腫が大きかった。大腸腺腫の発症に食生活としての高コレステロール血症, 耐糖能異常, 生活習慣としてのストレスが関与していることからこれらをハイリスクと考え検診を行うことが効率よい検診につながると考えられた。