日本消化器がん検診学会雑誌
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大田区地域住民を対象とした25年間の大腸がん検診─検診成績と問題点─
福井 章藤井 大吾
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2008 年 46 巻 3 号 p. 387-396

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抄録

大田区住民を対象にした大腸がん検診で, 25年間に延べ225,851人を検診し大腸癌患者482人を発見した。免疫便潜血検査(IFOBT)定性法で検診結果を報告していた時は精検受診率50%前後, 癌発見率0.14%と低かったが, 定量法で報告してから精検受診率, 癌発見率が向上した。
89例の大腸癌患者中IFOBT500ng/ml以下の群では早期癌20例, 進行癌11例であったが, 2,000ng/ml以上の群では早期癌8例に対し進行癌27例であった。IFOBT一日陽性群では大腸癌32例, 二日陽性群では57例と1日陽性群の1.8倍, 進行癌は3.6倍であった。右側結腸癌は一日陽性群2例, 二日陽性群では17例であった。経年受診群から発見された大腸癌患者72例は, 非経年受診群156例の半数であった。検診上の問題点として, 新規受診者の減少, 低い精検受診率, 見逃し医療事故がある。これらの問題には検診委員会が毎年検診結果を詳細に分析し精度管理の向上に生かすべきである。

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© 2008 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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