2008 年 46 巻 6 号 p. 735-745
【緒言】盲腸まで内視鏡を挿入できなかった全大腸内視鏡検査(TCS)不成功例に対する内視鏡検査直後に行ったCT colonography(CTC)の有用性を検討した。【対象・方法】TCS不成功で内視鏡検査直後にCTCを行った210例の中で, 患者の同意を得て1年以内にフォローアップTCSで全大腸を観察できた24例28病変を対象にCTC併用検査の診断精度を解析した。フォローアップTCSの結果を至適基準とした。【結果】TCSで病変を認めた症例は24例中16例で, そのうち臨床的に問題となる大きさ5mm以上の病変は10例であった。5mm以上の病変を対象とすると, 病変単位の感度, 陽性反応適中度(PPV)は93.3%, 93.3%で, 症例単位の感度, 特異度, PPVも90.0%, 92.9%, 90.0%と高かった。【結論】TCS不成功例において引き続きCTCで全大腸を精査することは, 今後有用な大腸検査法になると考えられた。