日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
Helicobacter pylori感染検査によるペプシノゲン法陰性胃がん拾い上げの問題点
加藤 勝章猪股 芳文菊地 亮介島田 剛延渋谷 大助
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2011 年 49 巻 1 号 p. 12-19

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抄録

PG・Hp併用法による胃がんスクリーニングではPG-/Hp-胃がんの取りこぼしが問題となる。本検討では, 集検発見胃がん188例を対象に, PG法と同時に抗Hp抗体や抗CagA抗体等の抗体検査と13C-UBTを実施し, Hp感染検査によるPG陰性がん拾い上げの問題点を検討した。対象のPG陽性率は76.1%だった。PG陰性胃がんは73.3-82.2%が抗体法陽性であり, 抗体法(-)/13C-UBT(+)となる抗体法偽陰性は4.4-6.7%と低値であった。PG陰性胃がんの13.3-22.2%は抗体法(-)/13C-UBT(-)だったが, その殆どは内視鏡的に胃粘膜萎縮を認めるHp感染既往例で, 高齢者が多く, PGI・II値が共に著しく低値であった。こうした症例は, PG-/Hp-であっても胃がん高危険度の可能性を考慮して慎重に対応することが望ましいと考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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