日本消化器がん検診学会雑誌
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49 巻 , 1 号
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特別講演
  • 久道 茂
    2011 年 49 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/15
    ジャーナル フリー
    本論文は, 第49回日本消化器がん検診学会総会(沖縄, 2010年)の特別講演「これからの消化器がん検診についての提言」で講演したものである。わが国でがん対策基本法が制定されて, がん検診受診率を50%に向上すべく目標を掲げて関係者が取り組んでいるが, その受診率の算出方法にしろ一定のものがなく, また国際的な比較をしようにも, 算出方法の異なる欧米の受診率をそのまま比較することはできない。がん検診には, 実施するに当たっての基本的な考え方と条件がある。また, 検診の精度を評価するについても, 基本的な原理がある。ここでは外国におけるがん検診の状況を紹介し, 死亡率減少に寄与する罹患率の効果, がん検診受診率算定に関する内外の比較, がん検診の精度についての基本項目, 最近の厚生労働省研究班の研究を示し, 最後にがん検診判断学の提唱を行った。
原著
  • 加藤 勝章, 猪股 芳文, 菊地 亮介, 島田 剛延, 渋谷 大助
    2011 年 49 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/15
    ジャーナル フリー
    PG・Hp併用法による胃がんスクリーニングではPG-/Hp-胃がんの取りこぼしが問題となる。本検討では, 集検発見胃がん188例を対象に, PG法と同時に抗Hp抗体や抗CagA抗体等の抗体検査と13C-UBTを実施し, Hp感染検査によるPG陰性がん拾い上げの問題点を検討した。対象のPG陽性率は76.1%だった。PG陰性胃がんは73.3-82.2%が抗体法陽性であり, 抗体法(-)/13C-UBT(+)となる抗体法偽陰性は4.4-6.7%と低値であった。PG陰性胃がんの13.3-22.2%は抗体法(-)/13C-UBT(-)だったが, その殆どは内視鏡的に胃粘膜萎縮を認めるHp感染既往例で, 高齢者が多く, PGI・II値が共に著しく低値であった。こうした症例は, PG-/Hp-であっても胃がん高危険度の可能性を考慮して慎重に対応することが望ましいと考えられた。
  • 山岡 水容子, 中島 滋美
    2011 年 49 巻 1 号 p. 20-31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/15
    ジャーナル フリー
    Helicobacter pylori(Hp)感染は胃癌の危険因子なので, これからの胃がん検診に考慮すべきである。以前われわれは胃X線検査の胃粘膜像でHp感染を診断可能と提唱した。今回胃X線検診受検者中, 便中Hp抗原検査, 血清Hp抗体検査, ペプシノゲン法を受けた209名を対象とすると, 感度98.0%, 特異度95.8%で胃粘膜粗造型なら感染あり, 平滑型ならHp感染なしと診断できた。また3検査全て陰性者の3.7%に粗造型, 12.3%に既感染と考えられる中間型を認めた。これをABC検診に当てはめるとA群の4.8%が粗造型, 13.3%が中間型だった。過去の胃癌12症例の胃粘膜像はすべて粗造型だったことから, 粗造型は胃癌危険群であり, ABC検診ではA群に18.1%胃癌危険群が含まれる可能性がある。胃X線検査は隠れた既感染者を拾い上げることが可能で, とりこぼしの少ない胃癌危険群のスクリーニングに有用である。
  • 光島 徹, 岡田 実, 山地 裕, 和田 亮一, 瀬崎 徳久
    2011 年 49 巻 1 号 p. 32-41
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/15
    ジャーナル フリー
    【目的】上部内視鏡(以下EGDS)に続いて大腸内視鏡(以下CS)を連続して実施する上・下部連続内視鏡検診(以下上下部検診)の有用性の検証。【対象】1991年10月から2009年9月までに, 我々が実施した上下部検診の受診者延べ10,183名(男7,757名, 女2,426名)。【方法】まず経口洗腸法を行い, 静脈麻酔を行ってからEGDS→CSと連続実施する。【結果】1.受診者の受容性:1)反復受診率は58.4%。2)EGDSの嘔吐反射は,(-)92.2%,(+)~(+++)4.5%。3)CSのスコープ挿入痛は,(-)87.2%,(+)・(++)11.3%,(+++)0.5%。2. 発見癌:食道12例(早期11例, 進行1例:早期癌比率91.7%. 累積発見率0.47%), 胃24例(早期22例, 進行2例:早期癌比率91.7%. 累積発見率0.94%), 大腸41例(早期34例, 進行7例:早期癌比率82.9%. 累積発見率1.61%)。【結論】上下部検診は, 適切な麻酔下に熟達した内視鏡医が実施すれば, 受診者の受容性, 診断精度ともに極めて高い, 究極の食道癌, 胃癌, 大腸癌検診法である。
  • 満崎 克彦, 坂本 崇, 松田 勝彦, 福永 久美, 菅 守隆, 吉田 健一, 工藤 康一, 藤本 貴久, 多田 修治, 浦田 譲治
    2011 年 49 巻 1 号 p. 42-54
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/15
    ジャーナル フリー
    64列マルチスライスCTによるCT colonography(以下CTC)の精度について検証した。全大腸内視鏡検査とCTCを同日に施行した208例275病変(大きさ2mm以上)を対象とし, 病変の大きさ, 肉眼型による検出能を検討した。大きさ別の感度は2mm:36.9%, 3mm:52.5%, 4mm:79.6%, 5mm:72.2%, 6mm以上:100.0%であった。6mm以上の病変の陽性反応的中度は76.5%であった。隆起型の感度は, Is(無茎性)60.0%, Isp(亜有茎性)100%, Ip(有茎性)100%で平均64.3%であった。表面型の感度はIIa(LSTを含む)40.0%で感度が低下した。大腸癌4例はすべてCTCにて検出可能であった。CTCによる治療対象となる6mm以上の病変の拾い上げは良好であり, CTCは大腸がんスクリーニングの一つのモダリティーとなり得ることが示唆された。
  • 水間 美宏, 渡邊 能行
    2011 年 49 巻 1 号 p. 55-61
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/15
    ジャーナル フリー
    腹部超音波がん検診の精度を文献的に明らかにするとともに, 精度を明らかにする上での問題点について述べた。精度を示した文献を抽出するため, 医学中央雑誌WEB版とPubMedを利用するとともに, 日本消化器がん検診学会雑誌を閲覧した。抽出した文献ごとに, 感度, 特異度, 陽性反応適中度とその信頼区間を求めた。その結果, 腹部超音波がん検診の感度はおよそ80%, 特異度はおよそ95%, 陽性反応適中度は1~9%であった。文献によって腹部超音波がん検診の精度に差がある原因として, 人数の数え方, 対象臓器, 診断装置, 検者, 走査法, 検査時間, 記録法, 読影方法, 判定基準, 偽陰性の定義, 発見がんの定義が異なることがあげられ, その基準化が望まれる。また, 精度の把握方法も異なっており, 今後は, がん登録との照合が容易に行えるよう, わが国の地域がん登録の登録精度が向上することを期待したい。
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