日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
胃癌危険群スクリーニングにおける胃X線検査の有用性
山岡 水容子中島 滋美
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2011 年 49 巻 1 号 p. 20-31

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抄録
Helicobacter pylori(Hp)感染は胃癌の危険因子なので, これからの胃がん検診に考慮すべきである。以前われわれは胃X線検査の胃粘膜像でHp感染を診断可能と提唱した。今回胃X線検診受検者中, 便中Hp抗原検査, 血清Hp抗体検査, ペプシノゲン法を受けた209名を対象とすると, 感度98.0%, 特異度95.8%で胃粘膜粗造型なら感染あり, 平滑型ならHp感染なしと診断できた。また3検査全て陰性者の3.7%に粗造型, 12.3%に既感染と考えられる中間型を認めた。これをABC検診に当てはめるとA群の4.8%が粗造型, 13.3%が中間型だった。過去の胃癌12症例の胃粘膜像はすべて粗造型だったことから, 粗造型は胃癌危険群であり, ABC検診ではA群に18.1%胃癌危険群が含まれる可能性がある。胃X線検査は隠れた既感染者を拾い上げることが可能で, とりこぼしの少ない胃癌危険群のスクリーニングに有用である。
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© 2011 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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