日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
多施設内視鏡胃がん個別検診の現状と課題
萩原 廣明山下 由起子茂木 文孝関口 利和八木 茂小板橋 毅
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2014 年 52 巻 1 号 p. 28-36

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抄録
平成18年~22年度の前橋市内視鏡胃がん個別検診の成績を検討した。受診者は年々増加しており, 特に60歳以上の増加率が高かった。平均胃がん発見率は0.53%であったが, 年度別胃がん発見率は平成19年度から低下傾向にあり, その主な原因は新規受診率の減少であった。経鼻内視鏡使用施設は13施設から48施設に増えて, 経鼻内視鏡受診者も1,667人から9,651人に増加していた。検査医の内視鏡経験から専門医と非専門医に分け, 両群の胃がん発見率, 早期がん発見率, 生検率, 陽性反応的中度, 偽陰性率を比較したが有意差はなく, 専門医・非専門医に関係なく生検率と陽性反応的中度の施設間格差が大きかった。今後は胃がん検診未受診者の新規開拓と内視鏡診断能の施設間格差の縮小が課題である。
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© 2014 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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