抄録
岡山県健康づくり財団では平成23年度から胃X線による胃がん検診において胃X線所見によるHelicobacter pylori(H. pylori)感染を考慮した背景胃粘膜の分類を取り入れ, 胃がんリスク群拾い上げの試みを行っている。平成23年度の地域胃がん検診受診者15,323名を胃X線所見からその背景胃粘膜を正常(N), 萎縮性胃炎(AG), 皺襞肥大型胃炎(HG)の3群に分類した。その割合はN群70.3%, AG群28.0%, HG群1.7%であった。各群の胃がん発見率はN群0%, AG群0.42%, HG群1.98%であり, AG群およびHG群は共にN群に比べて有意に高いがん発見率であった(p<0.01)。また, 陽性反応的中度もAG群5.5%, HG群3.9%と高値を示した。胃X線検診による対策型胃がん検診において, 胃X線所見によるH. pylori感染胃炎を考慮した胃がんリスク群の拾い上げは胃がん発見に寄与すると考えられた。