日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
細径内視鏡による胃がん検診の精度
小林 正夫望月 直美西大路 賢一釜口 麻衣
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2014 年 52 巻 6 号 p. 705-714

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抄録

2006年4月1日から2012年3月31日までの6年間に, 当院人間ドックにおいて, 細径内視鏡による胃がん検診を受けたのべ26,611人を対象として, 細径内視鏡検診について検討した。細径内視鏡による6年間の発見胃がんは, 早期がん81例, 進行がん6例, 深達度不明3例の計90例で, 胃がん発見率は0.34%, 早期がん率は90%という成績で, 本学会の全国集計報告と比較しても遜色ない良好な成績であった。また, 生検率及び生検適中度についての検討では, 2006年度は, それぞれ21.8%, 1.4%であったが, 2011年度には10.1%, 3.3%と改善した。3年以内の内視鏡既往のある偽陰性についての検討では, 発見がん90例中51例が偽陰性で, 偽陰性率は56.7%であった。これら偽陰性がんの92.2%は早期がんであり, 大部分が内視鏡治療可能であった。細径スコープによる内視鏡検診は, 精度管理も十分行われており, 細径スコープは胃がん検診において有用であると考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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