抄録
胃がんリスク評価のABC分類は, Helicobacter pylori抗体とペプシノゲン法を組み合わせて血清学的に胃がんリスクを予測する方法である。当センターでは2011年4月から, これを胃の健康度検査として人間ドックのオプション検査に導入した。そこで, リスク評価を受けた後の胃がん検診に対する意識の変化をアンケート調査し, 回答の得られた40歳以上の受診者365例(回収率43.7%)について集計した。自己の胃がんリスクを知って, 胃がん検診の重要性を認識したと回答したのはA群42.0%, B群57.6%, C+D群82.7%と高リスク群で高かった。この傾向は胃がん検診未受診者でも保たれており, 胃の健康度検査が胃がん検診受診の動機づけになる可能性が示された。今後, リスク評価が受診行動に結びつくように指導体制を整備し, その意義について正しい理解が得られるよう積極的な啓発活動を行う必要があると考えられた。