多施設内視鏡検診における内視鏡的萎縮度判定が胃癌のハイリスク分類として使用することが可能かどうか検討した。対象は2008年~2011年の間に行われた40,011件である。方法は専門医によって分類されたC-0, C-1, C-2, C-3, O-1, O-2, O-3(木村竹本分類)について, 男女比, 平均年齢, 癌の発見率について検討を行った。C-0にC-1を加えたものをA群C-2以上をB群として検討した。結果 年齢のオッズ比1.039(p<0.048)女性に対する男性オッズ比3.146(p<0.0001)A群に対するB群オッズ比4.495(p<0.0001)A群と比較して萎縮の強いB群は年齢性別とは独立して有意に癌の発見率が高かった。金沢市では現在C2以上を胃癌のハイリスクとして受診者に通知しており, 内視鏡の萎縮度分類は多施設内視鏡検診においても胃がんのハイリスク分類として有用であると考えている。