抄録
症例は73歳, 女性。2013年5月の住民検診で胃X線検査を施行したが異常を指摘されなかった。同年6月当院でのCT検査で胃小彎側のリンパ節腫大を認め, 上部消化管内視鏡検査で胃体下部大彎に径約40mmの浅い陥凹性病変を認めた。生検でdiffuse large B-cell lymphomaの診断となり, 精査の結果, 限局性の胃悪性リンパ腫の診断となった。化学療法を施行し, 完全寛解を得た。本症例が検診で指摘されなかった原因として, 背臥位二重造影での描出が困難であったこと, 十二指腸に流出したバリウムが病変と重なっていたこと, 対策型検診撮影法のため圧迫法がなかったことなどが考えられた。胃X線検診において, 病変の拾い上げのためには, 二重造影のみでなく薄層像や圧迫像を駆使し, リアルタイムでの観察も重要であると考えられた。