日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
対策型胃X線検診での萎縮度評価とABC分類の年齢階級別対比─高齢者ではA群でも萎縮進行例が多い─
佐藤 恒信山口 和也杉山 園美赤羽 麻奈三橋 佳苗林 學
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キーワード: ABC分類, 対策型検診, 高齢者
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2015 年 53 巻 6 号 p. 766-774

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抄録
[背景]ABC分類のA群は胃がん低リスク群と扱われるが, 高齢者では萎縮進行例の割合が高いのではないかという懸念がある。
[対象と方法]年齢階級別に, ABC分類判定結果とX線画像の胃粘膜萎縮度について比較した。千葉県C村2013年3月の対策型胃X線検診1168名を対象とした。ヘリコバクターピロリ菌(以下Hpと略)除菌歴, 逆流性食道炎または胃疾患通院, 胃切除歴のある例は問診票で除外した。採血はX線検診当日に署名による同意の上で施行した。
[結果]70歳以上の高齢者ではA群でも胃粘膜萎縮進行例が40~50%を占め, Hp抗体価(3U/ml未満)およびペプシノゲン法の値の評価でも, 萎縮進行例の十分な除外は困難であった。
[結論]高齢者ではA群でも萎縮進行例の割合が高く, 画像検査追加による萎縮進行例の除外が必要である。
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© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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