日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
当院人間ドックの発見胃癌におけるペプシノゲン値の検討
坂野 文香松本 能里久留島 仁
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2015 年 53 巻 6 号 p. 775-781

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抄録

PG法は胃癌ハイリスク群の拾い上げに有用であるが, PG陽性例のみならずPG陰性例からの胃癌発生も少なくない。このたび, 当院人間ドックの発見胃癌のうち治療前のPG値が判明している52例のPG値を検討した。52例のうちPG陽性は30例(57.7%), PG陰性は22例(42.3%)であった。胃癌はO-1, O-2の萎縮度で多く認めた。PG陽性では90.0%にopen typeの萎縮を認め, PG陰性でも50.0%にopen typeの萎縮を認めた。最終病理結果が判明している50例で, 分化型が37例, 未分化型が13例であった。分化型ではPG陽性が64.9%であったが, 未分化型ではPG陰性が53.8%を占めた。また, PG陰性癌20例のPG値を検討すると, 75%がPGI低値(40ng/ml以下)あるいはI/II比低値(4以下)に存在した。PG陰性者についても, 胃癌発生の可能性に注意を要すると考えられた。

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© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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