日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
胃がんリスク診断:追加基準による偽A群対策
曽我 忠司
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2015 年 53 巻 6 号 p. 782-791

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抄録
対策型地域胃がん検診に胃がんリスク診断を導入するにあたり, いわゆる偽A群への対策として以下の追加基準を設けた(PG-1が35ng/ml以下, PG-2が15ng/ml以上, HP抗体価が5以上10U/ml未満, HP除菌歴あり)。従来基準でA判定でも追加基準のいずれかが陽性の場合は“Aだが精査群”と判定し内視鏡による精検を勧奨した。2013年度の受診者総数は17,325名, A群の要精査率は40.9%(4,052/9,916)で, “Aだが精査群”の45.5%(342/751)に萎縮性胃炎を認め, 4例の胃癌が発見された。除菌既往者を除くと偽A群はA群の11.1%を占め, 偽A群の胃癌数/精検数は1.65%とC群に比肩するものであった。今回の追加基準は偽A群を概ね把握できたが取りこぼしは存在すると思われる。またA群の要精査率が高く偽陽性が多いため追加基準の改良を検討している。
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© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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