日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
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原著
ペプシノゲン法によって判定した萎縮性胃炎の背景因子の検討
松川 泰子瀬古 千佳子松井 大輔渡邉 功小山 晃英尾崎 悦子栗山 長門水野 成人渡邊 能行
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2016 年 54 巻 2 号 p. 248-258

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抄録

Helicobacter pylori感染が萎縮性胃炎を介して胃がんを発生させることは, 周知の知見であるが, 萎縮性胃炎についての生活習慣等の背景要因は十分に検討されていない。
2011~2012年に日本多施設共同コホート研究J-MICC study京都フィールド3に参加した1,894人についてペプシノゲン法によって萎縮性胃炎の有無を判定し, 過去1年間の食習慣を含む生活習慣等の資料の揃った男性419人, 女性861人, 合計1,280名(対象者の67.6%)について萎縮性胃炎の背景要因に関する分析を行った。
年齢, 喫煙状況, アルコール摂取の有無で調整し, ロジスティック回帰分析を行った結果, 男性において牛豚肉摂取, 女性においてヘモグロビン値低値, 受動喫煙がリスク要因, 男性の単変量解析において歯の本数が予防要因として検出されたが, 横断的調査であり今後更に前向き研究として検討していく必要がある。

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© 2016 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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