日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
原著
19年間の胃がん症例からみた胃がん検診対象年齢の検討
木村 光政多田 豊治
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 54 巻 2 号 p. 259-269

詳細
抄録

年々, Helicobacter pylori感染者が減少しているなかで胃がん検診対象者年齢の見直しが必要と考え, 1994年から2012年の19年間に胃がん症例数, 罹患年齢がどのように変化したかを本院での胃がん臨床症例でもって検討した。結果, 19年間に胃がん症例数は55例から29例に減少し, 早期胃がん罹患年齢は11歳高くなっていた。検診にて発見された胃がん症例の高年齢化もみられた。年齢別に見ると全胃がん症例のうち50歳未満は3.6%と少数で60歳以後の胃がん症例が84%を占めていた。効率的な胃がん検診にするために開始年齢を40歳から引き上げ男性50歳以上, 女性60歳以上とし60歳以後の年代層に向けた対策が急務と考える。

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top